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2020.04.23
お久しぶりです。
供給部保全グループの下川です。
さて、今回は私が主に担当している「他工事管理」についてお話しいたします。
まず「他工事」とは、ガス工事以外の工事を指します。水道工事、下水道工事、側溝工事、電柱建柱工事、などガス以外の工事すべてを総称したガス業界用語です。
保全グループでは久留米ガスの供給エリア内で行われる他工事について、打合せや現地への立会いなどを行い管理しています。
先日も水道工事の立会いを行ってきました。
ガス会社が水道工事に?他工事の管理って必要なの?と思うかもしれません。
では、他工事を管理しなかったらどうなるか。
例えば、水道管を埋設するために道路を掘削していたとします。工事業者はガス管の存在を知らないまま掘削し、機械がガス管に直撃して破損・ガス漏れした!
などということが起こり得るわけです。
ガス管を破損しガス漏れが発生すると、着火・爆発などの二次災害へも繋がる可能性があり、破損させた施工業者のみならず現場付近の通行人や周辺住民などを巻き込み多大な影響を及ぼす恐れがあるものです。
過去には、他工事破損により多数の死傷者を出した痛ましい事故も発生しています。(天六ガス爆発事故が有名です)
このような事故が起きてしまうと、破損させたのは他工事業者だから他工事業者が全部悪い、なんてのは通用しません。責任の一端は管理が不十分だったガス会社にもあるということです。
他工事業者と相互に協力しあい、事故を未然に防ぐために最大限の努力をするのがガス会社の責務です。
また、着火・爆発に至らなくとも、ガス管の破損によって周辺のガス供給がストップする可能性もあります。周りのお客さまに長時間不便を強いることになるのはもちろん、工場や飲食店などがあれば営業補償の問題等も出てきます。
そして、ガス管を修理するためには金銭的・人的・時間的コストも発生します。
と、ガス管破損によって起こり得る事象をいくらか書いてみましたが、これらの事態を防ぐためにはどうすればいいか・・・
ガス管破損を防げばいいですね。破損がなければその後の事故もありません。
破損を防ぐには、工事の着手前に打合せをし、まずガス管の存在を知ってもらうこと。
そして現地で立会ってガス管の位置を説明し、ガス管の近くは機械を使わず慎重に掘削してもらう。それだけでガス管破損のリスクは大幅に減らせます。現場によっては何度も何度も打合せを重ねる必要もありますが、破損による事故を考えると比較にならないほど労力は少なく済みますよね。
まず事故を起こさないために、それからお客さまへのガスの供給を止めないために、そしてガス管というガス会社の資産を守るために
他工事管理は必要な仕事なのです。