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2021.02.20

植栽改造計画【計画編】

こんにちは。

総務部総務グループの立花です。

 

今回は会社の正面入口脇にある、ガス燈周辺(ガス燈についてはこちらの記事をご参照ください)の植栽の改造計画についてご紹介します。

この植栽はお客さまをお迎えする様に敷地に入ってすぐにあり、社屋から出る際も玄関ドアを開けると正面にドンと出てきて、割と目立つ場所にあります。

 

 2014年に現在の社屋に移転した当初は、桜の木や敷地前の歩道と同じように久留米ツツジが植えてあり、春にはきれいな花を満開に咲かせる・・・予定でした。

しかし、現実はそうはいかず、桜も久留米ツツジもまともに育たないまま徐々に枯れていってしまいました。過去に何度か植え替えをしたようですが、それでも一向に改善されずに打つ手が無くなって放置されてしまった植栽スペースは、自生したシダに覆われて下の写真のような有様に。

酷いですね・・・お客さまの目に触れる機会が多い植栽スペースがこれではさすがに見た目が悪すぎると思い、総務としてとりあえずは枯れてしまった植木や、荒れ放題のシダを除去しようと一人でブチブチと抜いていたところ、偶然通りかかった山口社長が「敷地前の歩道の久留米ツツジは元気に咲いているのに、会社の植栽スペースにはうまく花が咲かない・・・」と残念そうに話されました。

それを聞いて、やるしかないと・・・植木を除去するだけでなく、この場所を根本的に改造して植栽スペースとして再生しようと決意しました。

それも全てDIYで!←そんなこと全く言われてないですけど。

専門業者に依頼をすると結構な費用がかかってしまいそうでしたし、私自身がこういったことに多少の知識と興味があり、面白そうだったので自分でやってみたかったというのも大いにありますが・・・。

こうして趣味半分の植栽改造計画がスタート!

 

まずは現状の把握と問題の究明から。

敷地前の歩道の久留米ツツジは毎年元気に咲いているのに、何故会社の植栽スペースだけ枯れてしまうのか?

原因はまず1番に土壌の水はけの悪さがあります。土の質が悪いのか、その下の構造が水が抜けないようになっているのか、常時湿ったような感じで、特に雨が降った後は3日間は土がグチャグチャなままという状況。これでは一般的な植物であれば根腐れを起こして枯れるのも当然です。

2番目に日当たりにも問題がありました。社屋の北側にあるので、社屋建物の陰で日が当たらない時間が発生してしまい、所謂ガーデニング用語で「半日陰」という日照環境にあたります。敷地前の歩道の久留米ツツジも同じく社屋の北側ですぐ近くではありますが、こちらは建物の陰がかからない場所にあるので、日照条件は大きく違ってきます。久留米ツツジは日当たりを好む植物なので、土壌の水はけ問題を解決したとしても十分な生育環境とはならないでしょう。逆にシダが茂っていたのは、水はけと日当たりが悪い環境を好む植物だからです。

「土壌」と「日照」の2つの問題。この現状の環境をクリアしなければ、何度植え替えを行っても失敗することは明白でした。これを解決することが今回の改造計画の大前提です。

 

更に、荒れ放題になってしまった原因には手入れの不足もあります。植栽は長期間にわたって維持していくものなので、竣工時の完成度と同じくらい、その後のメンテナンスについても意識しなければいけません。そうは言っても「植え替え」や「落ち葉の清掃」、「枝の剪定」、「肥料の施し(施肥)」等に手間を取られるようでは、永く保つことはできないと考えて、できるだけ手間をかけずに管理できる環境づくりも目指すことにしました。

 

そしてどうせなら見映え良く、インパクトのある空間にしたかったので、「オリジナリティ」、「華やかさ」の要素も取り入れていきます。今のご時勢「映え」です。映えまくって、若者世代・女性にも全力で媚びていくことにしました。

 

 最後に費用についても極力抑えたいと考えました。会社の施設として自分のお金ではなく、会社のお金を使わせてもらうのであれば、コスト意識は重要です。お金をかければ、簡単に何でもできてしまうのかもしれませんが、費用を抑えつつ、最大限のクオリティを目指すのが基本方針です。

 

こうして考えていくと課題は色々とありました。

①土壌の水はけ不良への対応

②日照条件(半日陰)への対応

③メンテナンスの手間の削減

④見映え

⑤費用

課題を整理したところで、これらの対応策(と私の好み)を踏まえた改造計画のテーマを設定しました。

 

ズバリ、「半日陰ナチュラルガーデン風ビオトープ」です!

 

具体的にそれぞれの課題への対応策を説明していきます。

①土壌の水はけ不良への対応

 今回、一部に砂利を混ぜたり、勾配(地面の傾き)をつくったりして若干の水はけ改善は行いますが、全面の根本的な土壌改良は実施したとしても、確実に効果が出るかは定かではなく、労力・費用の面でも大きな負担になりそうでした。

 そこで、環境を変えるのではなく、その環境に適応できる植物を採用しようと考えました。上でも少し触れましたが、植物にはそれぞれの種類に適正があり、日当たり、湿気、気温、土のpH、耐性の強さ等で好ましい環境が違うので、それに合わせた適材適所の選択と配置をする必要があります。この場合、不良な土壌環境を逆手にとって、特に水はけが悪い場所には多湿な環境を好む植物を、それ以外の場所にも比較的耐性が強い植物を植えることで対応することにしました。

 

②日照条件(半日陰)への対応

 日陰の原因は社屋建物の陰によるものなので、これこそ改善できない環境条件です。その為、土壌の水はけの悪さと共に半日陰を好む、又は半日陰にも適応できる植物を選ぶことにしました。そう考えていくと久留米ツツジを植えるのは難しいようです。

 

③メンテナンスの手間の削減

 植栽には必ず様々な手入れの手間が発生しますが、その負荷は植物の種類によって全く違います。今回はそれを最小限に抑えることも選定の条件としました。

 まず「多年草(宿根草)」という一度植えてしまえば、植え替え不要な種類を1つ目の条件にしました。「多年草(宿根草)」の反対は「一年草」といってアサガオやパンジーのような毎年植える必要がある種類で、花が派手できれいなものが多いものの、植え替えの手間を考慮して除外しました。

 2つ目に落ち葉対策に「常緑種」を選びました。久留米ガスでは毎週の初めに敷地周辺の歩道と敷地内の早朝清掃を行っているのですが、既に植栽スペースに植えてある桜の木と敷地前の街路樹のイチョウが落葉樹なので、秋には大量の落ち葉と格闘しています。常緑種でも落葉しないことはありませんが、これ以上秋の落ち葉を増やす事はしたくないので、常緑種で統一することも条件に追加しました。年中葉がついている方が、見た目にも寂しくなくて私は好きです。

 3つ目に剪定をできるだけしなくていいように、成長速度・繁殖速度が早くなく、大きくなりすぎないものを選ぶことにしました。成長力や繁殖力が強すぎると、他の植物を押しのけて手が付けられなくなるほどに爆発的に増えてしまい、一気に全体のバランスが崩壊して全てが台無しになります。そういった恐ろしいリスクに対応するには、私の知識と経験がまだまだ不十分なので、ハーブ系等の一般的に成長力・繁殖力が強いと言われている種類は避けるようにします。

 4つ目に肥料を施す手間(施肥)を省く為に、肥料の要求度が低い植物で揃えることも考慮しました。完成後に肥料を追加することも一切考えていません。

 更に全体のイメージを一般的な花壇のような整然と植木が並んだものではなく、自然を再現したような「ナチュラルガーデン風」にすることで、多少の手入れ不足でも「野生味」ということで何とか上手く誤魔化せないかなという希望的観測もあります。ナチュラルガーデンですから・・・。

とにかく楽に維持できるように、手を入れなくてもそれなりに形になるように、「ローメンテナンス」を目指します。

 

④見映え

 テーマに「ビオトープ」と付けましたが、ビオトープとは広い意味では「野生生物の生息空間」とされています。最近では狭い意味で「ベランダビオトープ」等のように小型の人工池を作って生物を飼育する環境にも用いられます。

そうです。池を作ります。

池には水棲生物を泳がせます。オリジナリティを持たせる為の、今回の計画で一番の目玉です。

ただ、ナチュラルガーデンとビオトープだけでは華が無いような気がしたので、若者世代・女性受けを意識して、年中どこかに花が咲いているような見ごたえのある空間にするために、植物の構成には開花期についても意識しました。特に既に植えてあるメインツリーの桜の花がつくのは春先の短い期間だけなので、桜の木の根元一帯にはそれを補うように長期間咲く花を絨毯のように植えます。映えスポットになる・・・はず。

 

⑤費用

 お金は大事ですから慎重に使います。できる限り無料の資源や安い材料を使って「ローコスト」で作ることにしました。

 

 以上、こんな感じで頭を悩ませながら植栽の改造計画を立てましたが、個人的にはとても楽しい時間でした。

計画を立てたら、次はいよいよ実行あるのみ!次回は植栽改造計画【施工編】です。

 

 何をするにしても、現状分析は大事ですね。

就活生の皆さんも、今の時期にしっかり自己分析や業界研究をしてください。

自分の強みや企業選定基準がはっきりすると頭が整理されて迷いがなくなります。

いかに自信を持って行動に移すことができるかが、就活のスタートダッシュを決めるカギになると思います。

 

 長くなりましたが、最後の4行のみ参考にしていただければ幸いです。(笑)